読書と映画の記録

読書と映画の記録です

儚い羊たちの祝宴 感想

儚い羊たちの祝宴読みました。

良家を巡る不思議な物語。つながっているような、つながっていないような、話たち。

良家の人々なのでどの話もお上品にはじまるのですが、だんだん雲行きが怪しくなる。いえ、最初から『ちょっとヘンだな』と思うのですが、凡人には『良家だしな、そういうもんかな』と受け流せる程度。しかし雲行きなどんどん怪しくなっていき、最後には『人って、こわ』と思う展開になるのですが、そこは良家、怖い展開すらお上品です。

びっくり展開ではない、じわじわと突き落とすタイプの怖さ。濃厚だけど後味が良いお話なのでおすすめです。(※後味の良さは個人差があるかもしれません)

 

つづきはネタバレ感想。

 

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妻に先立たれた孤独な男性の結末は、 - 幸せなひとりぼっちをみました -

妻に先立たれた孤独な老人、オーヴェ。

職も失い、首を吊ることを決意するが、にぎやかな隣人が引っ越してきて、首を吊る機会を逃してしまう。

にぎやかな隣人に巻き込まれ、首を吊る機会を逃し続ける彼。隣人一家とのつながりもでき、ひとりぼっちでは、なくなっていく。

 

スウェーデンの映画で、北欧の映画らしい、ちょっとくもり空にしんみりと続いていく映画。ジャンルにコメディが入っているサイトもあるのですが、日本人が想像するコメディとはちょっと感覚が違う感じがします。

原作は小説なのもあってか、話がしっかり骨太でいい感じです。

 

老人は結構偏屈なのですが、引っ越してきた隣人一家の女性はイラン人なこともあるのか、あんまり気にせず。そんな女性に影響されるように、近所の人たちも彼を頼るようになります。

おじいちゃん、ひとりじゃなくなったね、とほっとする人、きっと多いはず。

休日の昼下がりにおすすめの映画です。

 

 

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湿地に住まう貧しい女は、本当に殺人犯なのか?それとも世間の印象による冤罪か?

話は裁判シーンからはじまる。

湿地でひとり死んでいた、裕福な青年、チェイス。湿地にひとり住む女、カイアに彼の殺害容疑がかけられる。湿地にひとり住む彼女は『湿地の娘』と呼ばれ、気味悪がられている。陪審員も彼女を気味悪がる人たちになる。

彼女は、なぜ、こうなったのか。話は過去に、遡る。

 

という感じの話。

元は小説らしく、ストーリー構成は見終わった後に『満点!!!』って言いたくなるようなストーリーです。が、ストーリーが良いだけでなく、映像も美しい。

映像するにあたって『せっかく映像化するならば、小説とは違う魅力をだしたい』と製作者が思ったのだろう、と思える映像の良さです。

 

舞台はノースカロライナの湿地帯。

主人公のカイアは成長後、湿地の生き物たちについての美しい挿絵が入った本を出版することになるのですが、彼女の絵も美しければ、映画の中の湿地の風景・動物も美しいです。私はあまり虫は好きではないのですが、この作品の虫は『きれいだ』と素直に思えるくらい綺麗でした。

 

Amazon prime videoのジャンルは『サスペンス』『ロマンス』。

カイアは本当に犯人なのか?それとも、カイアを気味悪がる町の人たちに罪を被せられているのか?事件の真相は何なのか?ぜひ、湿地の綺麗な自然と、事件の真相をお楽しみください。

 

 

 

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少年たちと探偵と怪盗を巡る甘くてほろ苦い話、『銃とチョコレート』を読了しました

20を超える品々を盗んだ怪盗ゴディバ、それを追う探偵ロイズ。主人公である少年リンツのまわりでは、探偵ロイズはみんなの憧れだった。父に渡された『ある品』が少年リンツを探偵ロイズとつなげ、冒険に導いていく…………!

 

という、児童書のようなあらすじ。

乙一を期待してくると、『あれっ』となるかもしれません。ダークな雰囲気はかなり薄く、全体通して児童書…………かな……?という雰囲気で進んでいきます。漢字の使い方も児童書っぽいので、著者名が違ったら乙一さんだと気づかないかも。

 

ただ児童書っぽいと侮るなかれ、最後の結末への導き方は『やっぱりさすがだ!』と思われるものがあります。文体が児童書っぽいので軽く読めますし、児童書っぽいけど話は大人っぽさもある、そんなお話です。

 

以下ネタバレ感想。

 

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母によるゲイバー再生物語、ステージ・マザーを見ました

あらすじからして面白そう!と思ったのでステージ・マザーを見てみました。

 

ある日突然届いた息子の訃報。悲しみながら葬儀に行くと、そこは葬儀なのに踊り歌う不思議な光景。どうやら、息子はゲイバーを経営していて、自身もドラァグ・クイーンとして活動していたらしい。

ゲイバーの共同経営者であった息子の恋人『弁護士にいったら、自分は近親者じゃないから、何もできないってさ。売るなり何なり好きにしなよ』とちょっとやけっぱち。母『とりあえず2か月、経営してみましょう!』とまさかの発言。

しかしそのゲイバーは経営不振でつぶれかけ……。母はゲイバーで行われてるショーをリニューアルすることで、経営再建を目指す…!

 

という、話。母は普通の既婚者なので最初はゲイたちも心を開かないのですが、そこは母の腕の見せ所というか、母らしい包容力でゲイたちと親密になっていきます。

ゲイバーのショーはいわゆる『ドラァグ・クイーン』と呼ばれる人たちが演じる口パクのショーなんですが、母のリニューアル後、すごい面白いです。好き。ラストのショーもすごい好きです。

 

全体的に口はお下品なのですが、話としては結構ストレートに良いので土曜の夜におすすめです。話の中でも土曜の夜がメインなので、土曜の夜にぜひ。

 

 

以下、ネタバレ感想

 

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殺し屋の集う列車で起きる波乱の物語、ブレット・トレイン見ました

フォロワーさんに『吹替の声がいいのよ~』って聞いて気になってたブレット・トレインがAmazonPrimeで配信されてたので見てみました。

 

主演はブラッド・ピット。原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』。

伊坂幸太郎作品の映画化の主演がブラッド・ピット、とだけ聞くと謎な感じしますが、原作からガッツリとアレンジされているので、しっくりくる仕上がりになっています。

 

舞台はサイバーパンクJAPAN。新幹線っぽいけど、ファーストクラスのある夜行っぽい列車。ブラッド・ピットが演じる何かと不運な主人公は『目的の鞄を盗んで降りるだけ』という簡単な依頼を受けます。が、さすが不運な主人公。簡単には終わりません。次から次へと不運に見舞われ、殺し屋の集う列車の中で色々な事件に巻き込まれていく…。という、あらすじだけ見ると『なんて適当な……』って感じですが、スピード感よくて良い映画です。

 

吹替も良いですが、聴覚情報という点では音楽もとても良いです。奥田民生だったり、女王蜂のアヴちゃんだったり、昭和歌謡のアレンジだったりします。映画見終わってすぐサントラ探したくらいには音楽が良いです。ちなみにサントラはAppleMusicの場合はbullet trainと英題で探すと見つかりますのでぜひ。

 

そんなあらすじが不思議で、舞台も不思議で、音楽が良くてスピード感も良い映画です。ぜひ。

ちなみに原作のマリアビートルも読むとアレンジ力すごいな……って気持ちでいっぱいになれます。活字も好きな人にはマリアビートル→ブレット・トレインの順番がオススメです。

 

以下ネタバレ感想

 

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死の商人の物語、『ロード・オブ・ウォー』を見ました

死の商人の物語、『ロード・オブ・ウォー』を見ました。

 

楽しい要素はない、淡々と武器商人のユーリが武器商人になるきっかけからその先を描かれる物語です。

ソビエト時代のウクライナから亡命してきたユーリと弟と両親。ユーリはあるキッカケで銃に目覚め、武器商人となる。ユーリは弟を相棒にし、仕事を隠して妻を得て、子も得る。しかし、国際的な警察組織の捜査官バレンタインに怪しまれて目を付けられてしまう。

 

という話。最後の文字がとても印象的で切ない。

時代を相まって色々考えさせられるお話でした。話はまとまって良い映画です。

 

 

以下、ネタバレ感想。

 

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