読書と映画の記録

読書と映画の記録です

スウィング・キッズをみました

スウィング・キッズを見ました。

ジャケットがかなり明るめなので明るい映画だと思ってたんですが、かなり怒涛の展開でした。

時は朝鮮戦争の時代、アメリカ人と朝鮮人捕虜がタップダンスを一緒にやる話。これだけ聞くととても明るい話に聞こえるのですが、踊っていても戦時下は戦時下。戦争中というであること、彼らのダンスを率いるアメリカ人が黒人であること、ダンスメンバーの中に戦争の英雄の弟がいることなどから、簡単には楽しくダンスは踊れません。

 

 

続きはネタバレ感想。

 

 

こんなに明るい前振りやジャケット・公式サイトからこんな暗い話につながるなんて誰が思ったでしょうかって感じの怒涛の上げて下げるタイプのジェットコースターです。

 

これの前に見た韓国映画は半地下の家族だったのですが、そちらは『ポスターから不穏な空気が漂ってるので警戒をして見ても、地面にめり込むレベルの鬱展開で下げてくる』タイプでしたが、こちらは無警戒に見たら地面にたたき落されました。最近インド映画をよく見てて『ダンス=あかるい!』って思ってたので完全に油断しました。

 

あらすじとしては先の通りに朝鮮戦争の時代、アメリカ人と朝鮮人捕虜がタップダンスを一緒にやる話です。

 

アメリカ人はその時代の黒人なのでちょっとあんまりいい扱いをされていません。やや適当なノリで司令官に『クリスマスでダンス披露してよ』と言われます。色々を経て一緒にダンスをやる仲間となるのが。英雄の弟と、家族を養うためにお金を稼がないといけない通訳士の女、避難してたはずが間違って捕虜になってしまった男と、どこからきたのか謎の中国人という4人。四者四様の彼らと黒人は日々タップダンスを練習するのですが、戦時下という時代や、黒人であることや、英雄の弟という立場が、簡単には彼らを気持ちよく躍らせてはくれません。

 

踊るシーンは何度もあります。みんなで踊るシーンも、しっかりあります。
彼らの踊りは『ちょっと個性がある』のが良いんですよね。インド映画みたいな洗練された完璧さとはちょっと違う、タップダンスをやるのが始めてな人が混ざった感じの『がんばったじょうずさ』をいい感じに表現してます。

もともとタップダンスをやっていたらしいジャクソンはすごくきれいに足を上げることができます。英雄の弟は体力もあるのでタップダンスで細かく足を動かし続けるのがすごく上手い。中国人もユニークなキャラクターと振付で人を笑顔にさせてくれます。

 

そんな彼らのキャラクターのたったダンスを、もっと見ていたかった。時代が違ったら、そんなことを思ってしまう映画でした。時代が違っていたら彼らが出会うことも、踊ることもなかったのかもしれません。それでも違う結末を願わずにはいられない展開でした。

 

人におすすめできる映画とは言い難いですが、心に残る映画です。