読書と映画の記録

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少女が孵した卵から産まれたのは『何』なのか - ハッチング-孵化-みました

上映開始前の予告からヴィジュアルで気になってた映画にアマプラで遭遇したので見てみました。予告のヴィジュアルは少女がおおきな卵を抱えてる姿だったんですよね。

 

母はYouTuberっぽい幸せそうに演出された家庭。父は母の趣味に反対するでもなく、無害で無関心タイプ。弟はちょっとマザコン気味。主人公である娘は新体操をやっているが、どうやら成績はイマイチ。しかし母は娘が優秀な体操選手であることを求めており……という、結構重め家庭。

そんな娘がある日ふしぎなたまごを手に入れ、孵化させる。たまごからうまれた謎のいのちは、この家庭に何をもたらすのか、という感じ。

 

北欧系ホラーは『ゆっくり、じわりと、おかしさが明らかになっていく』ことが多いように感じるがこちらもそういった感じ。じわじわと絶望と恐怖に追い詰められていく。

個人的には結末もすごく好き。北欧ホラー好きな人はぜひ。

 

つづきはネタバレ感想

 

ハッチング-孵化-(字幕版)

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これは『少女の願いに応じて孵る卵』じゃないか!!!聖女系ファンタジーでたまに見る設定ですがこちらは北欧ホラー。前述の家庭環境もあり少女の願いに応じて孵った『なにか』も徐々に頭角を現します。

話が進めば進むほど少女の持つ『善』の気質が目立って見ててつらいんですよね、どうしてこの母と父からこの子が育つんです??

犬までは抑圧されすぎた少女の夢遊病説だと思ったんですけど、隣人への加害あたりから視界は共有してるけど肉体は明らかに別行動してるので夢遊病ではないんですよね。でも孵化した何かは少女の感情の機微を察している感じがするので、『一部を共有している何らか』ではありそう。本当に『少女のためだった』のか、それとも『最初から少女のまわりの環境を壊そうとしていた』のか、あるいは『乗っ取るために自分を害するものは先んじて排除しておこうとしておいた』のか、いまいちわからないんですよね。どれでもあるし、どれでもないのかもしれません。でもこの結末は個人的にぞっとして大好きなので良いと思います!

母との関係にトラウマがない北欧ホラー好きの人はぜひ!上映当時トラウマで見れなかったみたいな話もあって見に行かなかったんですが確かに母との関係にトラウマがある人にはキツい話だろうなあと思います。