読書と映画の記録

読書と映画の記録です

もしある日、身近なひとが異形になってしまったら? - 人間に向いてない 感想

おれもおれも!と思って手に取ったらオゾミス(おぞましいミステリー)の文字。 本を開いたある日異形になってしまう病気が流行っている世界線らしい。つまり人間が表紙の通りになってしまうということだ。抽象的な概念の表紙だと思ったら作中世界観そのまま…

アニメ ラーメン赤猫を見た

アニメも最近よく一気見するので記録しようと思う ラーメン赤猫1話~12話を見た。漫画は冒頭部分だけ読んだことある。 猫のラーメン屋に人間のパートが入る、というところから話がはじまる。このアニメの面白いポイントは人それぞれだと思うのだけど、自分的…

母の執念と、娘の執念の大バトル。『RUN』感想

未熟児で産まれ、生まれつき色々な疾患を持ち、車いすで暮らす女子高生のクロエ。クロエは大学進学を控えており、大学の合格の知らせを日々待っている。 ある日、母が買ってきた買い物袋からチョコをくすねようとしたところ、怪しい薬を発見してしまう。そし…

おいしい珈琲を淹れる女の子たちの物語。 - 『コーヒーカンタータ』 感想

表紙の絵がすごく好みで手にとってみた。 はじまりはどうやら箱入り娘っぽそうなお嬢様の琥珀が珈琲の街に行くところから。琥珀は『この街にある珈琲の専門学校に入る』という目的があって街に来たのだが、右も左もわからず右往左往しているところを、街の少…

東南アジアの田舎で信仰される女神。代々受け継がれる神がもたらすものは……? - 女神の継承 感想

タイのイサーン地方で信仰される女神ついてドキュメンタリーを作成するために撮影に赴いた撮影隊。最初は現在の巫女について語られていくが、その中で巫女の親族に不思議な動きがあり……?といったはじまり。 正統派の田舎系ホラーだけど、しっかり怖い。とい…

カリフォルニアで、メキシコ移民がすし職人を目指す! - 『イーストサイド・寿司』感想

なんか元気が出る映画を見たいと思って、なんか元気出そうだし美味しそうだからこれにしよ!と思ってチョイス。 カリフォルニアで果物屋台を営むメキシコ移民のフアナ。父ひとり、娘一人を養うために今日もがんばる…………が、強盗に襲われ、この先を考える。そ…

ジビエを巡る、おいしいだけじゃない、葛藤の物語 - 『みかんとひよどり』感想

ふしぎなタイトルだなあと思ったら、ジビエの本らしいので読んでみた。 ジビエのシェフの亮と、猟師の大高の物語。 シェフの亮はジビエ肉の調達にもこだわりがあり、自分で調達すべく、山に猟に入るが、遭難しかけてしまう。そんなところを救ってくれたのが…

ラジオに舞い込むテロ予告。犯人はいったい誰なのか? - テロ、ライブ 感想

不祥事をやらかし、テレビからラジオに左遷された主人公。ある日、主人公のラジオの電話対談コーナーにテロ予告が舞い込む。主人公は最初悪戯だととりあわないが、スタジオ近くの麻浦大橋が本当に爆破されてしまう。 このネタで視聴率を稼ぎ、テレビのキャス…

実写版ゴールデンカムイみました🌟🌟🌟🌟🌟

みました。特に情報は追ってなかったのですが、フォローしているユーザーさんたちが「よかった!」って言ってたので映画館へ。結論、よかったです!! ※ 原作読破しているため感想に原作のネタバレが含まれるかもしれません。が、面白さを損なうネタバレは多…

長年会っていない孫と祖父の、ちょっと距離のある共同生活 - エミリの小さな包丁(著: 森沢明夫) 感想

はじまりは、やや不穏。 職を失い、田舎に向かう電車に乗るエミリ。彼女が目指すのは、海のおじいちゃんの家。 長年あっていないおじいちゃん。でも彼女にはそれ以外に頼れる人はいない。憂鬱な気分を抱えて、おじいちゃんに会いに行く。 そこから、孫と祖父…

理知的で、不器用で、やさしいひとたち。

月のこと、雪の結晶のこと、地球温暖化のこと、素粒子のこと、地層のこと。 それぞれに詳しい、理知的で不器用な人たちとのふれあいを通して、すこしやさしい気持ちになれるお話。 どのお話も良いお話なのですが、個人的に1番お気に入りなのは『エイリアンの…

『調律師』は、何を目指せばいいのだろうか - 羊と鋼の森をよみました -

羊と鋼の森を読みました。とある山育ちの少年が、調律師に出会い、魅せられ、調律師となり、そして『調律師として何を目指していくか?』を見つけるまでの物語。 調律師と隣接する仕事であるピアニストであれば『こういう音色のピアノを弾けるピアニストにな…

2023年12月に読んだ本のまとめ

他の人がやってていいなあと思ったので、自分もやってみる。 小説ブルーピリオド あの日の僕ら / 行成薫, 山口つばさ おこじょさんの家飲み家ご飯 / ヤゼ 近畿地方のある場所について / 背筋 傲慢と善良 / 辻村深月 教室がひとりになるまで / 朝倉 秋成 恋に…

痛快復讐コメディ!ゴゴゴゴーゴーゴースト(5巻完結)感想

社内不倫の末、捨てられ傷心しヤケ酒で死にかける主人公、ウシロ。そんなウシロの前にオネエの幽霊、正子が現れる。正子はウシロにウシロを捨てたあいつ祟っちゃおうよ、と持ち掛ける。 それから2人は、ムカつくやつらを祟る生活をはじめるが…!? という、…

宗教とは何のためにあるのか、を考えさせられる話【スリーピング・ブッダ 感想】

※ この記事には、宗教に関する内容が含まれています。 寺の跡取りである広也と、バンドを挫折して僧侶の道に進んだ隆春。対照的な2人が、同じ寺で修行に入る。個性豊かな同輩、先輩に出会い、修行の中で2人はお互いを理解し、仏教への理解を深めていく…とい…

儚い羊たちの祝宴 感想

儚い羊たちの祝宴読みました。 良家を巡る不思議な物語。つながっているような、つながっていないような、話たち。 良家の人々なのでどの話もお上品にはじまるのですが、だんだん雲行きが怪しくなる。いえ、最初から『ちょっとヘンだな』と思うのですが、凡…

妻に先立たれた孤独な男性の結末は、 - 幸せなひとりぼっちをみました -

妻に先立たれた孤独な老人、オーヴェ。 職も失い、首を吊ることを決意するが、にぎやかな隣人が引っ越してきて、首を吊る機会を逃してしまう。 にぎやかな隣人に巻き込まれ、首を吊る機会を逃し続ける彼。隣人一家とのつながりもでき、ひとりぼっちでは、な…

湿地に住まう貧しい女は、本当に殺人犯なのか?それとも世間の印象による冤罪か?

話は裁判シーンからはじまる。 湿地でひとり死んでいた、裕福な青年、チェイス。湿地にひとり住む女、カイアに彼の殺害容疑がかけられる。湿地にひとり住む彼女は『湿地の娘』と呼ばれ、気味悪がられている。陪審員も彼女を気味悪がる人たちになる。 彼女は…

少年たちと探偵と怪盗を巡る甘くてほろ苦い話、『銃とチョコレート』を読了しました

20を超える品々を盗んだ怪盗ゴディバ、それを追う探偵ロイズ。主人公である少年リンツのまわりでは、探偵ロイズはみんなの憧れだった。父に渡された『ある品』が少年リンツを探偵ロイズとつなげ、冒険に導いていく…………! という、児童書のようなあらすじ。 …

母によるゲイバー再生物語、ステージ・マザーを見ました

あらすじからして面白そう!と思ったのでステージ・マザーを見てみました。 ある日突然届いた息子の訃報。悲しみながら葬儀に行くと、そこは葬儀なのに踊り歌う不思議な光景。どうやら、息子はゲイバーを経営していて、自身もドラァグ・クイーンとして活動し…

殺し屋の集う列車で起きる波乱の物語、ブレット・トレイン見ました

フォロワーさんに『吹替の声がいいのよ~』って聞いて気になってたブレット・トレインがAmazonPrimeで配信されてたので見てみました。 主演はブラッド・ピット。原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』。 伊坂幸太郎作品の映画化の主演がブラッド・ピット、と…

死の商人の物語、『ロード・オブ・ウォー』を見ました

死の商人の物語、『ロード・オブ・ウォー』を見ました。 楽しい要素はない、淡々と武器商人のユーリが武器商人になるきっかけからその先を描かれる物語です。 ソビエト時代のウクライナから亡命してきたユーリと弟と両親。ユーリはあるキッカケで銃に目覚め…

チェコの民話に着想を得た映画、『オテサーネク』を見ました。

チェコの民話に着想を得た映画、『オテサーネク』を見ました。 不妊に悩む夫婦。夫は妻の気休めのために、別荘を購入する。別荘の庭を整備している最中、赤ちゃんっぽい木を見つけた夫は、ニスを塗って、妻にプレゼントする。妻はそれを、本当の子だと思い込…

『マガディーラ 勇者転生』をみました

ちょっとイマドキの小説みたいなタイトルですが『勇者に転生』ではなく『勇者が現代に転生』の方です。 400年前に悲しい別れを告げた2人が現代で生まれ変わってまた出会う…のですが、『なんか運命』を感じつつも、思い出してはない2人。そんな中、覚えてる方…

『きっと、またあえる』をみました

『きっと、またあえる』を見ました。 ちょっとしんみりして終わる映画が続いたので、インド映画ならちゃんと気持ちよく終わってくれるはずだ…!と信じて視聴を開始。大当たりでした。激推しするような何かがあるわけではないですが、良い週末で終わりたい時…

アフリカン・カンフー・ナチス

悲しい映画を見たので次は面白い映画を見ようと思って選んだのですが、ちょっと面白いというか冷静にツッコミまくりたくなる映画でした。笑える感じではないです。 ストーリーは『ヒトラーと東条英機が実はガーナで生きていて、なんか横暴してる』みたいな感…

スウィング・キッズをみました

スウィング・キッズを見ました。 ジャケットがかなり明るめなので明るい映画だと思ってたんですが、かなり怒涛の展開でした。 時は朝鮮戦争の時代、アメリカ人と朝鮮人捕虜がタップダンスを一緒にやる話。これだけ聞くととても明るい話に聞こえるのですが、…

BEASTARSを全巻読んだ

気づいたら完結してたので、全部読んでみました。 主人公であるハイイロオオカミのレゴシが繰り広げるてんやわんやなんですが、ストーリーも良いのですが、個人的にとても好きなのが彼らの生態について。動物をベースにしつつ人型となっていますが、元々動物…

多様性はなぜ必要なのかを改めて考える - 『多様性の科学』よみました

多様性の科学を読みました。 表紙が目立つのでなんとなく手に取ったのですが、『CIAはなぜ、911を防げなかったのか?』に始まる、興味深い本でした。 多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織 作者:マシュー・サイド ディスカヴ…

LAMB見ました

LAMBを見ました。北欧系の映画という前情報だけ聞いていたのでミッドサマーみたいなのかなと思ってちょっと怖がってたんですが、ミッドサマーとは別方向の怖さでした。 アイスランドの羊飼いの夫婦の話なのですが、ジャケットの通り妻の側が抱いている子羊が…